Le Corbusier 1931 Villa Savoye
アプローチ
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Paris 近郊のPoissy 小高い丘の上に建てられた週末住宅サヴォア邸、20世紀初頭の画期的な建築を、住宅という箱によって実現させた偉業と称えられています。約50年前の19c末、 Corbusier が唱えた五原則の大半を、既にアメリカのシカゴ派が鉄骨造に於いて実現してしまっているとは言え、ようやく現実の建築に多用されるようになったコンクリート技術の未来を見据え、それらを明確に言語化し、完璧なしかも限りなく美しい姿で提示した作品と言えます。この作品はもちろん、週末住宅としての機能を十分に果たすべく計画されていることは、図面を子細に読めば十分に理解できるでしょう、お見事と言うほか有りません。しかしこのサヴォア邸は、Corbusier の提唱する原理原則に奉仕した極めて素晴らしいオブジェであって、生身の人間に奉仕した住宅建築であるとは言い難い、と思います。
サヴォア邸の最終案に至るまでに、数多くのスケッチが描かれており、スケッチを基に描かれた図面を紹介します。1928.10 時点でほぼ最終案に近い案が出来ているのに、可能性へのその後の挑戦は凄いですね。
図版は The Villas of Le Corbusier 1920-30 Tim Beneton 著 Yale University Press より。