24-ラ・トゥーレの修道院 Couvent de la Tourette(1953〜59)Le Corbusier / Arbresle France No.1/69

Le Corbusier 1957-60 La Toulette


南側外観
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13世紀初頭に設立されたドミニコ会は、20世紀の修道院建設に当たり、時代の先端を行く建築家コルビジェに設計を1952年に依頼し、56〜59年施工、献堂式は1960年に行われました。
Lyon 郊外の片田舎、l'Arbresle に建つこの施設は、修道院で有ると同時に、修道士の養成学校でもあったのです。修道生活に於いて、日課である祈祷を行う私的な祈祷所は、極めて重要な場所であり、コルビジェが力を込めてデザインしたことが伺えます。礼拝堂も同様ですが、やはりコルビジェの姿が見え隠れして居る様な気がしてなりません。この建物に見られる変形した回廊は、瞑想や黙想の場としての機能と精神に些か反しているように思えますが、この形が受け入れられたのでしょう。集団生活の場である100室の僧房、図書室、教室、食堂など、素っ気ない禁欲的空間が実に見事に実現されており、まさにコルビジェの素直な空間表現を垣間見る事が出来る、と言って良いと思います。ラ・トゥーレの修道院は、近代建築の五原則、光の扱い方、モデュールの駆使、随所に見られる造形美などなど、コルビジェの全てが込められた建築、と言うに相応しい傑作だと思います。
磯崎新氏の聞き伝えの様に、修道院建設に当たって、ドミニコ会の神父が、シトー派のル・トローネ修道院を見るようコルビジェに勧めたのでしょうか? 基本理念の異なる他派の建物でもあり、些か疑問が残ります。
by hirayama_susumu | 2007-04-29 10:49 | 24-La Tourette 修道院
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